「柔道整復師」という資格をご存じでしょうか?
柔道整復師は、整骨院・接骨院でケガや痛みに対応する専門家として、国家資格を持つ医療系の職業です。
そのためには「柔道整復師国家試験」に合格しなければなりません。
柔道整復師国家試験の概要から
■出題科目
■難易度
■合格率
■勉強方法
そして合格後の進路まで、徹底解説します。
柔道整復師とは?
柔道整復師は、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷いわゆるケガに対して、手技を中心とした施術を行う国家資格です。
整形外科やリハビリの分野とも深く関わりながら、医師の同意を得て骨折や脱臼の整復を行うことも認められています。
「柔道整復師=整骨院の先生」というイメージが薄いかもしれませんが
医療従事者としての知識と技術が問われる医療資格です。
国家試験の概要
柔道整復師国家試験は、厚生労働省が定める試験で、年に1回実施されます。
■実施時期:例年3月の第1日曜日
■受験資格:3年以上の柔道整復師養成校(専門学校・大学)を卒業、または卒業見込みの者
■試験形式:マークシート方式(四択問題)
■合格発表:3月下旬
出題科目と範囲
国家試験は大きく「必修問題」と「一般問題」の2つに分けられます。
必修問題(全50問)
基礎的な内容が中心で、総得点の80%以上の正答率が求められます。
1問でも取りこぼしが多いと不合格になるため注意が必要です。
一般問題(全200問)
臨床を意識した応用問題や幅広い医学知識が問われます。
必修ほどの厳しい基準ではありませんが、総得点の60%以上が合格の目安となります。
主な科目
■解剖学
■生理学
■病理学概論
■公衆衛生学
■運動学
■外科学概論
■整形外科学
■柔道整復理論
■関係法規
「医学の基礎から臨床まで」を広く学んでいないと合格できない内容です。
試験の難易度と合格率
柔道整復師国家試験の合格率は毎年60〜70%前後です。
一見すると高めに見えますが、全体の合格率はもっと低く養成校の在校生の中には途中で脱落する人も少なくありません。
一般的に学校の評価は合格率でみられることが多いので
最終学年で卒業試験という名の足切りにあうことがよくあります。
特に近年は出題傾向が難化傾向にあり、基礎医学の徹底理解が必須になっています。
問題の問い方がややこしく勘違いさせるものも多く
点数を落としてしまう場面が見られます。
ただの「暗記」では通用せず、臨床に応用できるレベルでの理解が求められています。
勉強の進め方
では、どのように勉強すれば合格に近づけるのでしょうか?
基礎医学を徹底的に固める
解剖学・生理学・一般臨床は、配点割合も多く他の強化にも応用ができる為8割は安定して点数が取れるようにしたいところです。
過去問演習を繰り返す
国家試験は過去問からの出題も多く、出題傾向を知ることが最大の近道です。
「過去10年分を何回も繰り返す」といった勉強法が合格者の定番です。
過去問を解いていくと類似問題も多く傾向もつかめてくると思います。
模試で弱点を把握する
各養成校や予備校、学校で模擬試験が実施されます。
点数だけでなく「どの科目で取りこぼしているか」を分析し
早めに弱点を補強していきましょう。
また各科目ごとにあらかじめ得点目安を決めておき目安通りに得点できているのか確認しましょう。
グループ学習や解説動画を活用する
一人で勉強していると理解が浅くなりがちです。
仲間と問題を出し合ったり、動画やオンライン講座を利用すると理解が深まります。
私自身が取り組んで88%で合格した勉強法です。
合格後の進路
国家試験に合格して免許申請すると
「柔道整復師」として名簿に登録されて厚生労働大臣から免許が交付されます。
主な就職先は以下の通りです。
■整骨院・接骨院の勤務
■独立開業(条件を満たせば自分の院を持つことが可能)
■病院やクリニックでの勤務
■スポーツトレーナーとして活動
■介護・福祉分野でのリハビリサポート
特に整骨院は全国に約15万軒以上あるといわれており
需要は高いものの、同時に競争も激しい業界です。
そのため「技術+知識+経営力」をバランスよく身につけることが成功の鍵になります。
まとめ
柔道整復師国家試験は、医学の基礎から臨床知識まで幅広く問われる試験です。
しかし、しっかりと基礎を固め、過去問を繰り返し、弱点を克服すれば必ず合格は見えてきます。
合格には満点は必要ありません
基準を満たせばよいのです。
実践で使える技術は、積み重ねて習得されるものです。
「人の役に立ちたい」「健康を支えたい」
という強い思いを持つ方には大きなやりがいが待っています。




コメント