交通事故に遭ってしまった場合には
治療費を負担してくれるほかに通院日数や期間に応じた「慰謝料」を受け取れることをご存じでしょうか。
特にむち打ち症や腰の痛みなどで整骨院に通院するケースでは、この慰謝料の計算方法を正しく理解しておくことで自身が損せずに済みます。
しかし実際には、慰謝料の金額は どの基準で計算されるかによって大きく変わります。
今回は、整骨院で一般的に適用される「自賠責基準」と言われる計算です。
弁護士が交渉することで適用される「弁護士基準」には、大きな違いがありますので解説していきます。
そもそも慰謝料とは?
初めに慰謝料とは、交通事故によって被った精神的な苦痛に対して支払われる補償のことです。
治療費や交通費とは別に支給されるため、通院が長引くと金額も変わってきます。
慰謝料の算定基準には以下の3つがあります。
①自賠責基準
②任意保険基準
③弁護士基準(裁判基準)
このうち②に関しては、任意保険会社によりますので算定できる料金もブラックボックスなのでいわゆる言い値な部分もありますので説明は、割愛します。
①自賠責基準
自賠責基準とは、国が定めている最低限の補償基準です。
最低限の基準なので一番料金が低くなります。
※このままの基準で計算している整骨院は損しています。
整骨院で通院した場合にまず適用されるのが自賠責基準です。
自賠責基準での慰謝料計算
整骨院や病院に通院した場合、慰謝料は以下の式で計算されます。
4,300円 × 通院日数 × 2(定数)
ただし、ここでいう「通院日数 × 2」が「実通院日数の2倍」とされるため、
実際には「治療期間の総日数」と比較して少ない方が採用されます。
つまり、計算式としては次のいずれかです。
• 4,300円 × 実通院日数 × 2
• 4,300円 × 治療期間の日数
この2つの金額を比べて「低い方」が採用されます。
計算例
たとえば1ヶ月(30日間)で、実際に16日通院した場合を考えてみましょう。
■実通院日数 × 2 → 16日 × 2 ×4300 =137600
■治療期間の日数 → 30日×4300=129000
この場合は「低い方」が採用されるため、30日で計算されます。
4,300円 × 30日 = 129,000円 が慰謝料となります。
逆に通院が少なく10日間だった場合は…
■実通院日数 × 2 → 10日 × 2 ×4300=86000
■治療期間の日数 → 30日×4300=129000
この場合は20日の方が安いため、
4,300円 × 20日 = 86,000円 が慰謝料になります。
つまり、月に16日以上通うと「治療期間日数」の方が基準になりやすいという仕組みです。
弁護士基準(裁判基準)の場合
もし弁護士に依頼した場合は「弁護士基準」が採用され、慰謝料の金額が大きく変わります。
自賠責基準のおよそ 1.5倍〜3倍 程度になることが多いです。
例えば、先ほどの「1ヶ月30日・16日通院」のケースだと…
• 自賠責基準 → 約12.9万円
• 弁護士基準 → 約20万円〜40万円
といった差が生まれます。
なぜか?
弁護士さんの考える料金を請求することができるからです。
先ほどの自賠責基準の計算式
たとえば1ヶ月(30日間)で、実際に16日通院した場合
■実通院日数 × 2 → 16日 × 2 ×4300 =137600
■治療期間の日数 → 30日×4300=129000
逆に通院が少なく10日間だった場合
■実通院日数 × 2 → 10日 × 2 ×4300=86000
■治療期間の日数 → 30日×4300=129000
×2の部分をおおよそ×3で計算することができる為1.5倍の差が生まれます。
ただし弁護士費用が発生するため、どのケースでも必ず得になるわけではありません。
※弁護士費用特約が付いているなら使った方がよい
通院が長期化した場合や後遺障害が残る場合には、弁護士に相談することで大きなメリットが得られるケースが多いです。
整骨院での慰謝料の取り扱い
整骨院、整形外科どちらに通院する場合でも同じ金額です。
※医師の診断に基づいて自賠責保険を利用できることが一般的です。
この場合も計算方法は「4,300円 × 実通院日数 × 2」または「4,300円 × 治療期間の日数」のどちらか安い方が採用されます。
そのため、患者さんにとっては「どのくらいの頻度で通うか」が慰謝料の金額に直結します。
特に仕事の都合などで通院が不定期になると、思ったよりも金額が少なくなってしまうケースがあるため注意が必要です。
事故後はどうしても身体の不調に目が向きがちですが、慰謝料の仕組みを理解しておくことで、経済的な面でも安心して通院を続けられます。
事故後の不調や通院方法、慰謝料についてご不明な点があれば
どうぞお気軽にご相談ください。
お問い合わせからご相談お願いいたします。
交通事故整骨院の選び方はこちらをご覧ください
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まとめ
慰謝料は、通院期間or実際の通院で低い金額が適応される。
【自賠責基準】と【弁護士基準】があり弁護士さんにお願いしないと自賠責基準になってしまいます。
弁護士にお願いして弁護士基準に適応できるだけで慰謝料は1.5倍ほどになる。



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