もしかしたら首の寝違えかも?という方へ
朝起きた際に
「朝起きたら首が痛い」
「首が動かない」
「振り向くと激痛が走る」
といった経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。
いわゆる「寝違え」と呼ばれる状態です。
寝違えは突然起こると思われがちですが
実は気が付かない原因があって起こることがほとんどです。
多くの場合は数日で自然に痛みは回復していくことが多いです。
しかし、間違った初期対応をしてしまうと、症状が長引いたり逆に悪化することもあります。
今回は、寝違えの痛みのメカニズムから、安静にすべき理由、セルフケアの注意点まで詳しく解説します。
寝違えの原因
寝違えは「首の筋肉や靭帯、関節に一時的な炎症が起きている状態」と考えられています。
考えられる原因は、大きく2つあります。
不自然な姿勢での睡眠
■枕の高さが合わない
■ソファでうたた寝をしてしまう
■椅子に座りながら寝てしまった
不良姿勢で首の筋肉や関節に負担がかかってしまい悪い状態が続くことで首の寝違えを起こしてしまいます。
急激な負荷
睡眠中に急に寝返りを打ったり
頭の位置が固定されたまま長時間同じ姿勢をとることで
筋肉や関節に小さな損傷が生じてしまいます。
この結果、首の筋肉や関節周囲に「微細な炎症」が起こり、痛み・可動域制限が生じます。
特に首は頭(約5〜6kg)を支えるため、負担が集中しやすい部位。
炎症が起こると周囲の神経を刺激し、「動かすと鋭い痛みを感じる」という症状につながります。
どのように対応したらよいのか?
寝違えが治るまではどのくらい?
寝違えによる炎症は、通常発症から3日程度でピークを迎え痛みの軽減に向かうと言われています。
そのため、最初の数日間は「いかに炎症を広げないか」が重要です。
無理に首を動かしたり、強いマッサージを加えたりすると内部の炎症が強くなり回復が遅れる可能性があります。
1日目:急激な痛み、動かすとつらい
2日目〜3日目:炎症が強まり、最も痛みが出やすい時期
4日目以降:炎症が徐々に落ち着いていき動かせるようになってくる
寝違えた直後は
「動かせば治るのでは?」
「痛い部分をマッサージしよう」
と考えてしまいがちですが、実は逆効果です。
首を無理に動かす → 炎症部分をさらに刺激して悪化する可能性がある
痛みを我慢して仕事や運動をする → 治りが遅くなる
痛みが強い時期(特に3日間)は、できる限り安静を保つことが最も効果的です。
ただし「全く動かさない」という意味ではなく、日常生活に支障が出ない範囲で無理のない動きを心がけるとよいです。
ストレッチはしない
首が固まっていると感じると「ストレッチをすれば楽になるかも」と思う方もいます。
しかし、寝違えの直後にストレッチを行うのはおすすめできません。
【理由は以下の通りです】
炎症部分の筋肉や靭帯をさらに引き伸ばし、損傷を悪化させる
神経を刺激して痛みが強まる可能性がある
回復までの期間が延びる
ストレッチや軽い運動が有効になるのは、炎症が落ち着き始めた 発症から4日以降が目安です。
それまでは「動かさない」ことが最大のセルフケアになります。
まずは冷やすこと
寝違えのケアでよくある間違いが「お風呂で温める」「蒸しタオルを当てる」といった対応です。
炎症が起きている直後に温めてしまうと、血流が増えて腫れや痛みが強まる可能性があります。
発症から3日間は冷却が基本
氷嚢や保冷剤やタオルで包み、10〜15分を目安に患部を冷やします。
痛みが落ち着いてきたら温める
この時期からは、血流を促すことで回復を早める効果が期待できます。
つまり、寝違えのケアは「初期は冷やす → 回復期に温める」という切り替えが大切です。
寝違えを繰り返す方へ
頻繁に(1か月に1回以上)起こす場合には、一度専門医にご相談ください
体のコンディションにより寝違えが起こる頻度に影響すると考えられます。
睡眠環境もかなり大切です。
枕やマットレスなど寝具の状態が合う合わないで寝違えをおこる頻度に関わります。
実際に、患者様に枕を変えるように伝え自身の使っているものを使用してもらった結果劇的に改善した事例もあります。
医療機関に相談すべきケース
寝違えは数日で自然に回復するケースがほとんどですが
以下のような場合は整形外科や整骨院への受診をおすすめします。
■1週間以上経っても痛みが改善しない
■首だけでなく、腕や手にしびれ・感覚異常が出る
■首を少し動かしただけで激痛が続く
■頻繁に寝違えを繰り返す
これらは「椎間板ヘルニア」や「頚椎症」など、別の疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。
特に、「痺れや感覚異常が出ている症状」は、整形外科を受診してください
まとめ
首の寝違えは、誰にでも起こりうる身近な症状ですが、
正しい対処を知っているかどうかで回復の早さは大きく変わります。
■寝違えは首の筋肉や靭帯に起こる一時的な炎症
■痛みのピークは3日間、安静が第一
■無理なストレッチやマッサージは逆効果になる
■初期は冷やす、回復期から温める(タイミングが重要)
■長引く場合やしびれがある場合は医療機関へ
このようにシンプルな対応を心がければ、多くの場合は数日で改善します。
もし繰り返す場合は、枕の高さや寝姿勢、日常生活の姿勢習慣を見直すことも大切です。


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